下痢

下痢が続く方

お腹の調子が悪かったり、下痢や便秘が生じていたとしても、
すぐに重い病気と結び付けて考える方は多くはないかと思います。
確かに下痢が生じていたらで「ストレスかな？」「食あたりかな？」「水分を摂りすぎたかな？」などと考えてしまうことが多いかと思います。

ストレスや食あたり、水分の過剰摂取などで下痢が発症することはよくありますが、
消化器の病気が原因となっている可能性もあります。
下痢が慢性的に続いている場合は消化器で異常が生じている可能性が高いので、早期の受診が必要となります。
『ただの下痢だから大丈夫！』と軽視せず、下痢が何日も続いている場合はお早めに当院までご相談ください。

下痢の発症原因について

下痢は発症する原因としては様々考えられます。

食べ物や飲み物

食べ過ぎ、飲み過ぎは下痢を引き起こす原因となりますので注意してください。食べすぎたり飲みすると胃や腸の働きが低下することがあり、その結果、下痢が発症することがあります。

ウイルス感染や細菌感染

ウイルス感染や細菌感染はいわゆる「食中毒」です。
食べ物や飲み物に紛れ込んでいるウイルスや細菌が体内に取り込まれ、腹痛や発熱などの症状を伴う下痢が生じます。

治療薬

病気の治療のためにお薬を飲んでいると下痢を引き起こすことがあります。
特に抗生物質は、腸の中にある細菌叢を破壊することがあります。
腸内にある細菌叢が壊れ、腸内環境が崩れることで下痢が発症することがあります。

胃腸の病気

大腸がんや過敏性腸症候群、潰瘍性大腸炎、クローン病などの病気が原因で下痢が発症することがあります。
特に過敏性腸症候群は、ストレスや食べ物によって腸管が敏感状態となってしまい、慢性的に下痢がでてしまうことがあります。

下痢の症状について

下痢は便中に必要以上に水分を含んでしまっている状態で、便が固形とならずに液状となっている状態のことをいいます。

食べ物は、口から入って消化管を通り、最終的に便として肛門から体外に排出されます。
この一連の流れの中で、食べ物は腸管内で植物内に含まれる水分が吸収されますが、
何かしらの原因で腸管内で水分が吸収されず、便に水分が豊富に含まれてしまっている状態となります。

便の色や匂い、排便時の便の量やトイレに行く回数などは、下痢が発症している原因や下痢の程度によって異なりますが、
下痢が慢性的に続いていると栄養分や水分不足となってしまいますので注意をしてください。

2～3日間下痢が続いている場合の原因について

2～3日下痢が続いている場合は、以下のような病気が原因として考えられます。

食べ過ぎ・飲み過ぎ・食あたり

下痢のよくある発症原因です。食あたりで下痢を引き起こすことがあります。

感染性胃腸炎

ウイルス感染・細菌感染によって胃腸炎が生じ、結果として下痢を引き起こすことがあります。

薬剤

内服している医薬品が原因となって副作用で腸炎が生じ、下痢を引き起こすことがあります。

1か月以上も下痢が続く場合の原因について

1か月以上下痢が続いている場合は、以下のような病気が原因として考えられます。

過敏性腸症候群

ストレス、自律神経系の乱れによって腸の働きが低下し、下痢や便秘が引き起こされることがあります。

潰瘍性大腸炎・クローン病

遺伝などの要因で、大腸粘膜上にびらんや潰瘍が生じてしまう病気で、下痢や腹痛などの症状を引き起こすことがあります。

大腸がん

食事習慣などの普段の生活習慣が発症に関わっています。
大腸がんが進行していくと下痢・便秘などの症状を引き起こすことがあります。

慢性膵炎などの大腸以外の病気

慢性膵炎は膵臓で慢性的に炎症が生じていることで血糖値を下げるインスリンの分泌量低下、
脂肪・タンパク質を分解する消化酵素の分泌低下で下痢が引き起こされることがあります。

下痢が生じている際の対処法について

下痢が生じている際の対処法は、下痢の種類（急性下痢、または慢性下痢）や発症原因によって異なります。
下痢の程度がひどい場合や下痢症状が慢性的に続いている場合、
熱や吐き気、腹痛などの他の症状も生じている場合は、お早めに当院までご相談ください

急性下痢の場合

急性の下痢の場合は脱水症状を引き起こす場合がありますので、こまめに水分を補給するようにしてください。
急性下痢の場合は身体が冷えているために発症している可能性もありますので、冷たい飲み物は極力控えるようにしてください。
また、胃腸を休めるために、おかゆうどんなどの消化の良い食事を意識してください。

慢性下痢の場合

慢性的に続いている下痢の場合は他の病気が原因で発症している可能性が高いです。
そのため、必ず医師の診察を受けるようにしてください。
牛乳などのある特定の食品を摂取した時に下痢が生じている場合は、それらの食品の摂取は避けてください。
また、慢性下痢の場合は消化が良くて栄養価の高い食材（うどん、卵、鶏のささみ、赤身の牛肉、白身魚など）を極力食べるようにしてください。

下痢が生じている際の日常生活での注意点

市販薬の使用

感染性の下痢の場合はお薬の服用はしないようにしてください。
下痢止め薬を使用して病原菌を体内に留めてしまうと、余計に下痢症状が悪化していきます。

ビフィズス菌などの腸内環境を整えてくれる整腸薬は、飲んでいただいても構いませんが、
慢性的に下痢が続く場合は必ずクリニックを受診してください。
また、今までに経験したことないくらい辛い重度な下痢、脱水症状や発熱、吐き気、腹痛などの他の消化器症状を併発している場合も必ずクリニックを受診してください。

食事

食物繊維の少ない食品や脂質の少ない食品を柔らかくなるまで調理したり、消化の良い食べ物を極力食べるようにしてください。
脂っこい食品やアルコール類や唐辛子などのような刺激の強い香辛料は避けるようにしてください。

脱水症状を防ぐために水分補給は大切です。
お水やお茶、スポーツ飲料などが適していますが、牛乳などの脂肪分を多く含む飲み物はお控えください。