高血圧
高血圧症とは
心臓は血液を全身へ送り出すためのポンプの役割を果たしています。
また、血管にはゴムのような弾力性があります。
心臓から血液が送られると血管が伸びて血液を含み、その後血管が元の状態に戻ろうと働きますが、その際に血管内に含んだ血液を末梢部へ押し出す形となります。
このようにして心臓から送られた血液は全身へと運ばれ、酸素が栄養素を届けています。
このとき心臓が血液を送り出しますが、血管に与える圧力のことを血圧といい、これが基準値よりも高い状態が続き、身体に異状が生じてしまうのが高血圧症です。
血圧が慢性的に高い状態が続いていると心臓が血液を送り出すための力が余計に強くなり、心臓に大きな負荷がかかってしまいます。血圧が高い状態を放置していると全身の血管で動脈硬化（血管が硬くなってしまうこと）が進み、脳血管疾患、心筋梗塞、腎臓障害などの合併症を引き起こすリスクが高まってしまいます。
高血圧症の有病率は、特に女性では各年齢階級で低下傾向でありますが、
男性では50 歳代以上で横ばいあるいは上昇傾向にあります。
高齢化が進み、今後、高血圧症の有病者数はさらに増加していくことが予想されています。
以下のような項目に該当する方はご相談ください
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上記のような項目に該当する方は
高血圧の可能性が高いです。
当院では高血圧の診察・治療にも力を入れています。些細なことでも構いません。お気軽にご相談してください。
高血圧の発症原因
高血圧には『本態性高血圧』と『二次性高血圧』の2種類あります。
本態性高血圧とは高血圧の発症原因が判らないものをいい、高血圧症の約90％が本態性高血圧に該当します。
本態性高血圧症は遺伝や普段の生活習慣などの環境要因が関与しており、生活習慣病の1種でもあります。
本態性高血圧の発症原因としては以下のことが考えられます。
・過剰な塩分摂取
・肥満体型
・過剰な飲酒
・精神的ストレス
・自律神経の調節異常
・運動不足
・野菜や果物（カリウムなどのミネラル）不足
・喫煙
二次性高血圧とは他の病気が原因となって血圧が上昇してしまうものを言います。
二次性高血圧は主に腎臓の働きに関連するものと、血圧を上げるホルモンが過剰に分泌されることにより発症するものがあります。
高血圧による症状・合併症
血管はゴムのように弾力性がありますが、血圧が高い状態が長期間続いてしまうと血管は常に張りつめられた状態になり、
次第に血管が硬くなって弾力性を失ってしまいます。
これが高血圧症による動脈硬化です。
動脈硬化は全身の血管で生じます。
動脈硬化が進むことで脳出血や脳梗塞、大動脈瘤、腎硬化症、心筋梗塞、眼底出血などの合併症を引き起こすリスクが高まります。
また血圧が高い状態が続き動脈硬化が生じてしまうと、心臓は全身に血液を送るために無理をすることになってしまいます。
そのため、心臓が働きすぎることで心臓肥大が生じてしまい、結果として心不全を引き起こす場合もあります。
高血圧の治療法
高血圧の治療法は非薬物療法と薬物療法に分けられます。
非薬物療法
高血圧は非薬物療法がうまくいけば、全く薬を必要としないこともあります。
その非薬物療法で大切になることが3つあり、（１）生活習慣の改善（２）運動習慣の改善（３）食事習慣の改善 です。
（１）生活習慣
＜ストレス＞
日ごろからストレスを感じていると血圧が上がりやすくなります。
そのため仕事上でストレスを感じない余裕のある計画を立てること、疲れや忙しさを忘れられる趣味を持つことなどストレスを遠ざけることも大切となります。
＜睡眠＞
最適な睡眠時間が確保できていないと、気がつかないうちに疲労やストレスが溜まってしまい、
血圧の上昇を引き起こす場合があります。
できるだけ自分に合った睡眠時間を確保する努力が必要となります。
＜入浴＞
入浴することで血管が広がり血行が良くなります。血行が良くなることで血圧が下げることができます。
また、疲労回復やストレス解消にも入浴は効果的でもあります。
ただ、心臓などの循環器系に合併症のある方は注意が必要なのと、長時間の入浴は逆に体力を使いすぎてしまいますので逆効果になることもありますので注意してください。
（２）運動習慣
有酸素運動を無理なく続けることは高血圧の治療において効果的と言われています。
運動というと、ジョギングのようなきつい運動を連想される方もいらっしゃいますが、
決してきつい運動を行う必要はありません。
脈拍が1分間に100〜120程度を目安にウォーキングや水泳、サイクリングなどの運動を行っていただくことは推奨されています。
運動も定期的に行い続けることでより効果的になりますので、無理なく継続できる運動を心がけてください。
（３）食事習慣
普段の食事習慣の改善が最も大切となります。
また、普段の食事習慣の改善は、高血圧の治療だけでなく、他の生活習慣病や老化の予防にも繋がります。
＜食塩摂取の制限＞
食塩を取りすぎると血圧が上がってしまいます。摂取しすぎた塩分を薄めるために、
細胞組織中から水分を取り込んでしまうため、血液量は多くなってしまいます。
心臓内に流入する血液量が増えてしまうと、心臓が全身に送りだすための力が余計に強くなり、高血圧が発症してしまいます。
日本人は食塩の摂取量が比較的多いと言われており、1日の食塩摂取量は平均11〜12g程度です。
高血圧治療のガイドラインでは食塩摂取量は男性で1日7.5ｇ、女性で6.5ｇと推奨されています。
高血圧の方にはできるだけ食塩の摂取をひかえた食生活を心掛けすることが必要になります。
＜カロリー・脂質摂取の制限＞
肥満と高血圧は密接に関わっており、肥満体型を改善することは高血圧症改善にも繋がります。
肥満体型の原因になる脂っこいもの、脂肪分を多く含むものの過剰摂取は動脈硬化を促進させます。
豚・牛肉やバター、マヨネーズ、生クリーム等の摂取をできるだけ避けることが必要となります。
薬物療法
普段の食事習慣や運動を行っていても、血圧が高い状態が続く場合は薬物療法を行っていきます。
薬物療法の目的は、血圧を抑え臓器障害や合併症を予防することにあります。
薬は重症度や合併症の有無などを考慮して決めていきます。
1種類の降圧薬を処方しても目標血圧まで低下しない場合は、それぞれ作用が異なる降圧薬を2種類または3種類、
同時に服用していただくこともあります。
血圧が目標血圧まで下がったからといって勝手に薬の量を減らしてしまうと、再び高血圧症が発症し、以前にも増して血圧が上昇してしまうことがありますので、しっかりと決められた時間に決められた量を服用することが大切になります。
高血圧治療での普段の生活習慣の心がけ
血圧の上昇には普段の生活習慣が深く関わっています。
血圧を下げるために普段の日常生活から、減塩以外にも禁煙、肥満体型の改善、アルコール類の摂取量を減らす、
運動不足・ストレスの解消などを意識していく必要があります。
＜タバコ＞
たばこを吸う人が必ずしも血圧が高いわけではありませんが、喫煙は高血圧、脂質異常症とともに
心臓病の危険因子のひとつと言われています。
喫煙は動脈硬化を促進させてしまい、 血管を収縮させる効果があります。
血圧が高い人がたばこを吸うと心筋梗塞や脳梗塞を起こす確率が高くなります。
＜アルコール＞
お酒を大量に飲んでいると血圧の上昇を招いてしまいます。
アルコールを飲むことで血圧に異常がなかったとしても、少なからず肝臓をはじめ体に悪影響は与えてしまいます。
アルコールも適度な量を摂取することが大切になります。
高血圧のことはお気軽にご相談ください
〇〇クリニックでは高血圧の診察・治療を行っています。
高血圧は自覚症状が無く放置されやすい疾患ですが、気が付かない間に動脈硬化を引き起こし、脳血管疾患や心疾患など命に係わる病気を発症させてしまう場合があります。
健康診断など血圧が高いと指摘された方、動悸や息切れなどの症状でお困りの方はご遠慮なくお問い合わせください。